2010.3.8.mon
第75回 戦国武将祭り、関ヶ原の戦いの意外な結末に涙。 いざ、出陣! 3月6日・7日の二日間、さいたまスーパーアリーナで行われた「戦国武将祭り」に行ってまいりました。このご時世、たまアリを二日間も借り切ってイベントをやるなんて、何という贅沢。これまで「信長の野望」や「戦国無双」など、戦国ゲームの名作をたくさん生み出しているコーエーが、声優、アーティスト、パフォーマーに加えて何とプロレスまで戦国時代に染めて披露して下さるというんですからありがたい。しかもそのプロレスのメンバーが、蝶野・武藤といった大御所から、飯伏・KAIといった新世代のスターまで、メジャーインディー問わずラインアップされているのが琴線に触れました。わかっていらっしゃる。

私は7日日曜日に行ったのですが、率直に申し上げて感動した。正直、お客さんは声優さん目当てだったり最近よく言われる歴史好き女子ばかりなので、レスラーにとってはかなりのアウェーだったと思います。でも、そうそうたるメンバーの声優さんやミュージシャンに混じってもプロレスは全然負けていなかったし、今回の世界観に見事にはまっていたと私は思いました。実際に試合をしたレスラーと、戦国時代にプロレスの試合を当てはめようと思ったイベント担当の方に、心から感謝と尊敬の念を送ります。

さて今回はプレス以外の写真撮影がNGだったので、一応プレスのはしくれとして不肖ミタが撮影した写真も添えつつリポートいたします。たいしたズームレンズも持ってないので雰囲気だけしかお伝えできなくてお詫びつかまつる。ってどうなんだこの言葉遣い。戦国的にも間違ってるんじゃなかろうか?

さいたまスーパーアリーナの真ん中にリングが置かれ、そしてそこから花道が繋がってステージがあります。ダンスや太鼓などのパフォーマンスやミュージシャンの演奏、そして声優さん達による朗読ドラマはステージ及び花道で行われ、リングを使うのはプロレスの試合のみ。このあたりもプロレスに敬意を払って下さっている感じがしました。

まず声優さん達によるそれぞれの合戦にちなんだ朗読ドラマがあり、それに続いてダンスなどのパフォーマンス。そしてその後試合があります。この朗読→パフォーマンス→試合、の流れは全てに共通していました。

7日の最初の合戦は、いきなり「本能寺の変」。ビジョンにゲームのキャラクターが上映され、それに合わせて声優さんたちが朗読を。わたくし知らなかったのですが、出てくる戦国武将がびっくりするくらいイケメンキャラばっかりなんだなこれが! 黄色い声援飛びまくり。私のようにゲームのキャラの顔がわからないよ、という方はこちらをご覧いただきながら読み進めて頂けると雰囲気つかめると思います。

さて、そんな中でもやっぱり蝶野正洋選手の知名度は絶大。織田信長に扮した、サングラス姿の織田”蝶野”信長vs明智"AKIRA"光秀の一戦では、普通に「チョーノ!」というかけ声が飛んでいたのですが、誰かが「ミツヒデ!」と言った瞬間にそれが「ノブナガー」に変わりました。面白かったです。

ゴングの代わりにホラ貝、レフェリーのカウントと共に太鼓が鳴り、試合中は場内に風の音や雷の音が鳴っています。蝶野選手のケンカキックのようなシンプルな技、AKIRA選手の側転や軽快な身のこなしは普段プロレスを知らないファンを惹きつけるのに充分。

試合はレフェリーに信長がいちゃもんを付けたのがアダになり、何とムササビプレスで明智"AKIRA"光秀の勝利! どうやら前日は蝶野信長が勝ったらしいのですが、残念、歴史は覆りませんでした…。

ただ花道の奥で炎に包まれながら「アイムノブナガ!」ポーズを決める蝶野選手は最高にカッコ良く、やっぱり蝶野さんは絵になる人よのう、と唸らされたのでした。

次の試合は忍びのもの対決、稔選手扮する服部半蔵vsNOSAWA論外選手の風魔小太郎。お互い忍者対決らしく、軽い身のこなしでお客さんを喜ばせました。ていうか風魔小太郎って小田原の北条家に仕えてたんですな。わたしったら地元なのに全然知らなかったよ! それにしても小太郎のようにちゃんとペイントして、しかもタトゥーだらけのNOSAWA小太郎は妖しさ満点でした。

声優さんが歌って踊る武将声優LIVE、avex所属アーティストによる戦国の宴LIVEに続いて「小田原の戦い」へ。小田原城を舞台に、武田信玄と上杉謙信が手を組んで豊臣勢を迎え撃つという、夢のようなお話。

武田"武藤"信玄・上杉"小島"謙信組vs柴田"人生"勝家・豊臣"TAKA"秀吉組は、芸達者揃いの試合となりました。まず、人生さんがハマり過ぎ。「カツイエ−!」と声が飛びます。TAKA選手演じる秀吉はまだ若く、やんちゃなキャラクターを作り上げてきました。勝家が拝み渡りをすると「俺もやりたい!」と名乗り出てはおずおずとロープを渡ってみたり、「天下獲りじゃー!」と叫んで技を決めたり。

また武藤選手演じる信玄はやっぱりどこまで言っても武藤選手で、リングサイドの女性の傘を振り回してみたり鉄階段を振り回してみたり。お客さんからも「膝大丈夫ー?」の声が飛んでました。

試合は信玄のドラゴンスクリュー、謙信のラリアット、そして信玄のシャイニングウィザードという豪華3連発で信玄・謙信組の勝利。小田原の平和は守られたよ! ありがとう! そして花道でたっぷりためて、プロレスLOVEポーズを決める武藤信玄。どこにいっても、何をやっても武藤色に染めてしまう武藤選手は、やっぱり凄いやと思ったのでした。

メインは天下分け目の一戦、関ヶ原の戦い。石田"飯伏"三成・真田"KAI"幸村・直江"カズ"兼続の西軍と、本多"高山"忠勝・伊達"HARASHIMA"政宗・加藤"三四郎"清正の東軍が雌雄を決するのです。

戦国から離れても飯伏とKAIのタッグは魅力的だし、飯伏vs高山なんていうカードもなかなか見られない。しかも、西軍の大将ですよ飯伏三成は! 

前日に観戦したあべ"レモンサワー"由紀子嬢から「飯伏選手のコスチュームが絶対萌えますからミタさん楽しみにしていて下さい(ハート)」とメールをもらっていたので、どれ萌えさせてもらおうぞとワクワクしていたら、なんかフカフカしたかぶりものをかぶり、しかも角が付いてました。萌えた。どうやら戦国無双の中の石田三成はそういうキャラらしいです(こちら参照)。
真田KAIと加藤三四郎がいきなりエア刀を構えて斬り合って、お互い認め合ってから刀をうち捨ててロックアップしたりしてお客さんを手のひらに。そうかと思えばドラゴンリングインをしてみたりして本当に加藤清正になっても相変わらずオトナ気ない大社長(ドラゴンリングインはあまり歴女にはウケなかった模様)。

そうかと思えばただひたすらに動きでお客さんを魅了し続ける飯伏三成。前日から見ているお客さんは、この人が「飯伏幸太」というプロレスラーだとは知らないままファンになり、「ミツナリー」「ミツナリー」と声援を送り続けています。

しかしジュニア勢ばかりの西軍はやがて劣勢になり、3人がそれぞればらばらにコーナーに吊されて絶体絶命。そこで、信じられない出来事が。

場内が暗転し、スクリーンには燃えさかる本能寺が。何とそこから、蝶野信長が生還した!
場内どよめきの中花道を一歩ずつ進む蝶野信長。本多忠勝や加藤清正をばったばったとケンカキックでなぎ倒し、伊達政宗をパイルドライバーでぶっつぶして西軍の勝利をアシスト。最後は三成がフェニックススプラッシュをばっちりと決め、何と関ヶ原の戦いは西軍が勝利したのでした。

勝ち名乗りを上げる西軍より一足早く花道を下がった蝶野信長は、やはり不憫な死を遂げた妹のお市の方(佐々木希さん)と一緒になり、静かに下がっていきました。なんか泣けた。すごい泣けた。

まあ私が最近涙もろ過ぎるのはとりあえず置いといて、それにしたってなかなか感動的な結末でした。プロレス的に見ても劣勢のどうしようもないところにあり得ない助っ人が登場して形勢逆転、そして大勝利、っていうのは最高に感動する結末です。しかもそれが関ヶ原の戦いで、しかも悲運の織田信長ですから。よくぞここまでプロレスを上手く使って下さった、という気がして嬉しかったです。

蝶野、武藤、高山といった、プロレスファン以外にもよく知られたレスラーにまず歓声が集まり、そしてそうでないレスラーも、稔vsNOSAWAの忍者対決だったりTAKA選手の秀吉、高木選手の加藤清正など、その武将のキャラクターをよく研究して、自分のファイトスタイルに取り入れていました。そして飯伏選手やKAI選手のような若くて動ける選手には、それだけで歓声が集まります。どのレスラーもこのイベントの趣旨と自分たちがやるべきことをきちんとわかった上で、リングに上がっていたことをプロレスファンは誇りに思っていい。

またプロレス以外にも、声優さんやミュージシャン、パフォーマーさんたちなど、今度は逆に普段私がご一緒しないジャンルのプロの仕事を見る楽しさがありました。

正直プロレスの興行でこれまでコラボものってあまりしっくりきた気がしなかったのですが、今回様々なジャンルが集まる中でプロレスも戦国エンターテイメントの一つとして選ばれたわけです。そして私が見る限り、立派にそれは役割を果たしていたと思います。今日来たGacktさん目当てのお客さんの中で、あの石田三成をまた見てみたいな、CMにも出てる蝶野さんや武藤さんの本業の試合ってどんなだろう、そう思ってくれた人がこれからプロレス会場に来てくれたらいい。

さいたまスーパーアリーナから帰る途中、「でも今日の三成はどっちかっていうとリーダーっていうより弟キャラだよねー」といいながら歩いていた女の子たちに、思わず「そうです!貴女がたは間違ってない!」と抱きしめてあげたくなりました(何様だ)。ホンモノの三成はリングでもっと輝けるし、リングないところでも相当輝けるよ。そう教えてあげたくなりました。ホンモノの三成じゃあないんだけど。

あらためて、どこに出てもプロレスはしっかりその役目を果たすことが出来るジャンルであり、プロレスラーはそれができる人たちだ。それがわかってまた嬉しくって涙出そうになって帰りの埼京線を乗り過ごした私でした。
フィナーレ勢揃い。バックステージ取材がなかったので飯伏選手に「石田三成を演じた気分」が聞けなくて残念でした
2010.3.1.mon
第74回 女だらけの何とか、水泳大会じゃないけど。 3月3日はひな祭り。ひなあられは小さくて細長いのが好きなのでそればっかり食べ続けて最後に豆類と丸くて大きなあられだけ残る、三田佐代子ですこんにちは。

そんな今年のひな祭りの日に、何とサムライTVは女子ばっかり出る特番を作るという大英断を! その名も「ひな祭りSP〜独占!プジョシの120分〜 」とな!

これまでスカパー!では何度か、「ひなバトル」と称してイケメンプロレスラーばかり集めた女性ファンオンリーのイベント&番組を制作したことがありましたが、今回は出演するのが全部ガールズ(一部ガールの心を持ったボーイ含む)という全く趣旨も目的も異なる番組です。

思えば、私がこのサムライで仕事を始めた14年前はまだ業界内にも女性は少なく、新聞社に記者の方がいらしても異動が多いのでプロレスどっぷりというわけにはなかなかいかない。そもそも「サムライTV」自体が海のものとも山のものともつかぬ媒体だったので、マスコミのお仲間に入れて頂くのにかなり時間がかかったことを覚えています。

それが今やサムライTVも女性キャスターが増え、団体フロントスタッフにも専門誌にもばりばり仕事をしているかっこいい女性がたくさんいます。このタイミングでこういう番組が企画されたことを、私自身とても嬉しく、楽しくやらせて頂きました。

とか真面目に書いてるけど、事の発端はこれ「三田会」だから! ある日突然プロデューサーさんから「三田さん、何だかtwitter上で三田会の話が盛り上がってるって聞いたんだけど、ひな祭り特番で三田会を中継しませんか?」と言われて相当私はびっくりした! 何がびっくりしたってプロデューサーさんから「ツイッター」「三田会」って言葉が飛び出したこともびっくりしたし、女の子ばっかりの飲み会を中継するというサムライTVの懐の深さというか勇気というか無茶というか、そんなもん全て引っくるめてびっくりした!

「え!いや、皆さんが出て下さるんなら私は楽しいので構いませんが、あべちゃんとかかなりお酒飲みますけど大丈夫ですかね?」とこの時点であべちゃんを飲ませる気満々で、当日を迎えたわけでした。

企画その1「三田会」
そもそも何度も書いてますが、昨年末にサムライTVに関わるメイクさん、スタイリストさん、デスクさん、キャスター陣で忘年会をやりまして、その時は私は単なる参加者でお店を取ったりみんなを集めたり会計をしたりとかいうことを一切してなくて、ただ楽しく酔っ払って「いえーい」とか言ってただけだったのですが、いつの間にやらそれが「三田会」というネーミングになっており、入会試験があるとか敷金礼金があるとか法外な保証金が取られるとか話がどんどんデカくなり(もちろん全部嘘)、それで今回の番組に結びついたわけですから面白いものです。

今回の参加者は、
キックの惑星の、ポンピクンありさちゃん。
格闘ジャングル、新井ありさちゃん。
Sアリーナ日曜担当、あべ由紀子ちゃん。
そして私。

既にポンちゃんのブログありさちゃんのブログあべちゃんのブログでそれぞれリポートされていますが、みんな本当によく飲んだ! 姉さんびっくりした! ていうかちょっと待てありさちゃん、「三田総長」って何それ! レディースか!

年末の「三田会」(自分で言ってちゃ世話ないですが)の時に何が嬉しかったって、女の子ばっかりで飲んだのにみんな酒が強かったってことですよ。普通女の子同士でお酒の話になると「あんまり飲めないんですよぅ」とかなりがちですが、あべちゃんもありさちゃんも最初っから「あ、アタシ結構飲みますよ」という心強さ。で結局その時も最後はその3人が残ったわけですからね。

今回も、ポンちゃんは飲めなかったんですがみんな飛ばし過ぎで(自分も含め)、「あの、皆さんわかってると思いますがずっとカメラ廻ってますから言いたくないことは言わなくていいんですよ」と念を押す暇もなく、みんなぶっちゃけ過ぎ! そしてポンちゃんはアルコール入ってなくても入ってる以上にぶっちゃけ過ぎ!

途中からその惨憺たる有様に男色先生が場を慣らしにいらして下さったのですが、正直申し上げましてあまり覚えていません。我ながら自分に感心するわ。よくカメラ廻ってるのわかってて記憶なくすまで飲むわ。でも、なんかちょびっといい話もした気がする。たぶん、だけど。

いったいどこまで放送に耐えうるのかわかりませんが、皆さんにきっと楽しんで頂ける、そして女の恐ろしさもきっとわかって頂ける(というかわかって頂きたい)番組になっていると思いますのでどうぞご期待下さい。しかしこと自分に関しては一度もメイクも直してねえし鏡も見てねえので顔は相当キツいことになっていると思いますがちょっとそのへんはOA見て現実に向き合いたいと思います。

その2 香山リカさんと対談
がらっぱちぶっちゃけ過ぎ三田会の次は、精神科医であり、プロレスファンとしてもお馴染みの、香山リカさんと対談させて頂きました。

香山さんとお会いするのは初めてで、先日の内館牧子さんといい、大先輩とお会いするのはいつでも気持ちが引き締まります。当たり前のことだけれどいつまでも謙虚でいなくてはいけないということを、自分に言い聞かせるいいきっかけになります。(普段どれだけ怠けてるんだって話です)

香山さんに伺った意外なプロレスファンの文人の方、そして香山さんが好きなプロレスラーの共通点、そしてあの双子やあのレスラーの魅力など、素敵なお話がたくさんありました。そしてプロレスファンでい続ける中で辛かったこと、自分と世間とプロレスとの関係性など、香山さんでなければできない興味深いお話がたくさんありますのでじっくりと聞いて下さい。

香山さんとの対談後、ディレクターに「どうだったかしら?」と聞いてみたらば、「三田会とあまりにギャップがあり過ぎました(笑)」だって! まあそりゃそうなんだけど! これから何を言っても説得力に欠ける予感! 全ては酒のせい!

その他にも、プロレス女性関係者の覆面座談会女子レスラーの変身企画などがあるそうで、こちらに関しては私も未見なので楽しみです。ていうかこんなに盛りだくさんで2時間に入りきるのか? あべちゃんがいきなり酔っ払っているところから始まるのか?

実は28日日曜日、後楽園ホールで木村響子選手が「ミタさーん!」と言いながら走ってきました。すわ、またフォークで襲われるのか?!と一瞬ビビりましたが、「今度私も三田会呼んで下さいよー!」と何とも嬉しいお言葉。「木村さんお酒たくさん飲む−?」「はい!ミタさんのこと酔わせますよー!」とおっしゃっていたので、もし今回の番組が好評だったら、年に1度くらいこんなふうに女の子ばっかりの番組があってもいいんじゃないかと思うんです。もちろん、番組抜きでも木村選手や、今回来られなかった方もお招きしてみんなで女の子同士楽しくやれたらいい。

自分が年齢を重ねてきて、それはちっともつまらないことじゃなくて、たくさん後輩が出来てその輪がどんどん広がっていったり尊敬する先輩がまだまだたくさんいらしたりするのは嬉しいな。楽しいな。そんなことを思えたひな祭り特番でした。

「ひな祭りSP〜独占!プジョシの120分〜 」は、3月3日水曜日23時から25時までOA!ガールズもボーイズも、みんなまとめて寄っといで!
2010.2.22.mon
第73回 澤田敦士選手は本当にミタサヨコの天敵だったのか? バンクーバー五輪で寝不足の皆さんこんにちは! ようやくカーリングのルールがわかったミタです(遅すぎる)。日本女子チームがあまりに可愛く、本橋選手のヘアスタイルとか近江谷選手の二の腕とかみんなのメイクとか作戦会議の話し声とか、いいねえ! どうかあと1週間、楽しませて下さい。

さて。20日土曜日のSアリーナにゲノム11にご出場の澤田敦士選手がいらっしゃいました。澤田選手といえば2008年のプロレス大賞新人賞で、その選考過程で私が大反対したと世間では言われており、その真偽はともかく正直ちょっとご一緒しづらいなあと思っていたのでした。

控え室でお目にかかるなり「お!ミタさんですね。澤田です」とにこやかに挨拶されました。お会いするのじたい、そのプロレス大賞授賞パーティ以来なので少々面喰らったのですが、「まあ僕は柔道で礼節を重んじる男ですから」と。

その日は解説として「変態ではなく、人よりちょっと性欲が強いだけです」でお馴染みの週プロ松川記者がいらしたのでほどよく和み、とどこおりなく番組は進行していきました。

師匠が小川直也選手、上がるリングはIGF、そしてトレーニングパートナーは石井慧選手。そういった環境からあの彼のキャラクターが作られていったことは容易に想像できます。でも、講道学舎から明治大学という柔道のエリートコース出身で、恵まれた環境にいる澤田選手だからこそ、今のままじゃもったいないと思うのです。

プロレス界は一夜にしてスーパースターが生まれにくい土壌です。エリート扱いされて大抜擢でメインイベンターになったとしても、お客さんの共感を得るには時間がかかる。その辛さを、例えば新日本プロレスの中邑真輔選手は嫌というほど味わってきました。そして彼自身がプロレスを大好きでいるからこそ、自分のようなタイプが応援されにくいということを、彼自身が一番よくわかっていた。

もちろん澤田選手の苦労は私にはわからないし、IGFのリングでもメインイベンター扱いされているわけじゃない。楽な試合なんかひとつもなく、ネクロ・ブッチャーやらプレデターやらのガイジンレスラーと当てられて、血だらけになりながら試合をしたこともあれば、単身渡米して日本に何の情報も伝えられないまま、アメリカのインディーマットで武者修行してきたりもしました。

でも結局、今のままでは「IGFのリングに上がっている小川直也の弟子の選手」という以上のインパクトを一般のプロレスファンに与えることはできないと思うのです。もちろん新人賞で名前は売った。でもそれはまた時間が経てば忘れられてしまう。忘れさせないためには、どんどん試合をやって欲しいし、澤田選手の試合を見てみたいと思わせて欲しい。

そのためには、今回の22日ゲノム11の、小川直也・澤田敦士組vs佐々木健介・中嶋勝彦組の試合は本当に大きなチャンスだと思うのです。失礼ながら澤田選手以外の知名度は一般にも抜群で、しかもプロレス界の中でも評価の高い健介選手と中嶋選手が相手。ここでパートナーの師匠、小川選手が目立つようでは意味がなく、因縁の小川vs健介の再戦、なんてことを忘れさせるくらい、澤田選手には頑張って欲しいのです。中嶋選手はバチバチやり合うには最高の相手だし、「アウトオブ眼中っすよ」とか言ってられないと思うので。

今回お話ししてみてもう一つもったいないなあ、と思ったのは、かつては馳・健介のハセケンコンビや、闘魂三銃士が大好きでプロレスをよくご覧になっていたとのこと。そういう部分をもっと出していってもいいのになあ!と残念に思ったのですが、まあ大きなお世話ですが。

そして、番組後半で突如「犬猿の仲の澤田選手とミタサヨコを仲良くさせるための10の質問」が出され、その中であきらかになった澤田敦士選手とは、

甘いもの(特にモンブラン)が好きで、
ガンダムについては全然知らなくて、
ヨーロッパサッカーより野球が好きで
猫より犬派で、
今はプロレスファンじゃなく
サムライTVも見てないし
SかMかと聞かれても澤田だからSだし
年上女性は飯島直子さんなら好きだけど
三田佐代子は嫌いで
生まれ変わっても黒木メイサにはなりたくない。


というお方だったのでした。ガンダム知らないとかサムライご覧にならないのはちょっぴり残念でしたが、別に私はビール飲みながらハーゲンダッツアイス食べるし猫はもちろん大好きだけれど実は犬も江古田ちゃん言うところの「いきつけの犬」がいるくらい生きとしいけるもの全部愛しているし、そもそも澤田選手が生まれ変わったら黒木メイサになりたいとか言われてもむしろ困りますから大丈夫!

それより今回澤田選手に関して一番私が頼もしく思えたのは、こんな会話でした。

ミタ:石井慧選手は今いろいろ考えてて大変なんじゃないですか?
澤田:そうですね。あいつすっごい真面目だし、繊細なんですよ。マスコミさんにあおられるとついああいうキャラになっちゃうんですけど。
ミタ:あら、石井選手って本当は繊細なんですか?
澤田:繊細ですねアイツは。俺の回りは石井といい小川さんといい、実は繊細な人間ばっかりなんですよ。
ミタ:そういう澤田さんは実際どうなんですか?
澤田:あ、俺は全然違います(即答)。人に何言われても平気だし、全くこたえないですよ。安心して下さい。

私はこの会話で澤田選手を思いっきり見直したね! 世の中全体、「強そうに見えるけど実はか弱い」とか「悪そうだけれど実際は良い子」とかそういうのがお好きだと思いますが、「図太そうに見えて本当に図太い」(澤田選手ごめんなさい)と自分で言い切る澤田選手はほんとうにかっこいいと思いました。ツンデレとかもういらないから! 「ツンツンしていそうで本当にツンツン」「お喋りに見えて本当に騒々しい」「ドSに見えて本当にドS」「身長低そうに見えて本当にチビ」「悩みがなさそうだとよく言われるが本当に悩みがない」私が言うんだから間違いない。そんな、自分を繊細じゃないと言い切る澤田選手をこれから応援したいな。たぶん応援できると思う。応援できるんじゃないかな。まあちょっと覚悟は(以下略

スタジオ冒頭、「三田佐代子の天敵、澤田敦士選手が登場!」と若林さんのナレーションが入りましたが、さて実際のところ、澤田選手は本当にミタの天敵だったんでしょうか。「悪そうに見えて本当はいい人でした」なんてオチをきっと澤田選手は求めていないと思いますが、控え室のゴミを綺麗に片付けてお帰りになったこと、Sアリご出演後にこんなブログを書いていらしたことなどから、みなさんそれぞれお感じになって頂けたらと思います。
「この写真、猫耳アワーに使うんですか?」と当コラムをご存じだった澤田選手。「プロレス大賞選考会の時に読みましたよ−。俺どんなヒドい言われようだったのか読んでやれと思って」
2010.2.15.mon
第72回 君は中西御殿を見たか それはIWGPヘビー級選手権試合の調印式で突如、あらわれました。

中西:まあ門は坂口会長に作ってもらったからね。その奥にある中西御殿は凄いもんやで。

2月14日新日本プロレス両国大会。そのメインで行われるのは、IWGPヘビー級選手権試合、中邑真輔vs中西学の一戦です。去年の5月、デビュー17年目にしてIWGPようやく初戴冠。後楽園ホールを埋め尽くしたファンが、そして私を始めとする関係者が、みな涙したものでした。その去年の戴冠をことのほか喜んで下さったのが世界の荒鷲こと、坂口憲二さんのお父様である坂口征二さんです。

あの感動よ再び。今回のタイトルマッチを前に、中邑選手の必殺ヒザ蹴り「ボマイェ」を正面から捕まえて、更にアルゼンチンバックブリーカーに担ぎ上げるという超荒技、「荒鷲掴み」という技を坂口さんから伝授され、飛び出したのがこのコメントでした。

そもそもボマイェのダメージを正面から受け止めるという「荒鷲掴み」も相当なインパクトでしたが、その後ろにあるという「中西御殿」とはいったい何なのか。突然飛び出したその言葉に、現場に居合わせた取材陣は全員「は?」と頭にクエスチョンマークが浮かんだらしいのですが、その後のやり取りでおぼろげながら中西御殿の有様がわかってきました。

「そやね。中西御殿は凄く丈夫やね。門の後ろにある頑丈な御殿ということや」
(Sアリーナゲスト出演時のコメント)

「中西御殿は要塞や。しかもただの要塞じゃない。攻めてくる要塞や」
(中邑vs中西、煽りVTRより)

要塞【ようさい】戦略上の重要地点に設けられる、主に防衛を目的とした軍事施設。

と辞書にはありますので「攻めてくる要塞」というのはかなり珍しいことになりますが、まあそんな細かいことはどうでもいい。

とにかく、坂口さんが作って下さった門の奥には、丈夫で、頑丈で、しかも攻めてくる、要塞の如き中西御殿がそびえているらしいのです。果たしてそれはタイトルマッチで姿を現すのだろうか? 誰もが前のめりになってその出現を心待ちにしていました。

ちょうどバンクーバー五輪が開幕し、「上村愛子ちゃん残念だったよねえ」「でもあの涙は本当に美しかった」「カメラがこれでもかっていうくらい寄ってたもんねえ」なんていう話をサムライで仕事を始めてまだ1年の若いスタッフとしつつ、

「そういえば中西選手のマナバウアーって知ってる?」
「知りませんよ。何ですかそれは」
「4年前の荒川静香さんのイナバウアーってあったじゃない? それからヒントを得て、アルゼンチンから一度地面に下ろして、ジャーマンに持っていく技。」
「へーえ。4年に一回しか見られないんですかね」

なんて話をしていたのでした。偉そうに言ってる私も前夜ふと「マナバウアー」という言葉を思い出したもののどんな技だかすっかり忘れており、調べたばかりだったのですがまさかそれが今日生きるとは!

さて試合は本当に面白かったです。面白い、というのは「いい試合」という意味と、「心から楽しかった」という意味とこの場合両方で。

チャンピオンの中邑選手をして「国宝級」といわしめた、186センチ120キロの身体を踊らしたドロップキックにプランチャ。「ホー!」の雄叫びからラリアット。そして遂に出た、荒鷲掴み! ボマイェをきっちり捕まえてアルゼンチンに抱え上げ、中邑選手を思いっきり顔面から叩き落としました。これはダメージがキツそうだ! 続けて逆片エビ固めへ移行。これは…? これが中西御殿なのか? 違う? とざわめく中、すかさず中邑のヒザを壊すマフラーホールドへ。これは説得力あるぞ!

更にアルゼンチンに担いだチャンピオンを振り回したかと思うと、一回地面に置いた! これは…?そうだあの伝説のマナバウアー! よもや本当に今日見られるとは! 場内大喜び!

ダメ押しで去年棚橋選手を下してIWGPを腰に巻く決めてとなった特大☆中西ジャーマン(相手をトップロープにぶつけて跳ね返ってきたところをジャーマン)を繰り出したところ、何とそこで中邑選手が一回転してすっくと立った! 残念! 場内に立ちこめる落胆の雰囲気。

そこからの中邑選手のたたみかけは素晴らしく、ボマイェを中西選手が防御したところフェイントを入れて何と左でボマイェ。これは読めなかったわー。これが、中邑選手言うところの「ボマイェ返し返し」だったんですね。さすがです。これで3カウント。中邑選手の防衛と相成りました。

「正直厳しかったよ。あのパワー、あのカラダ、中西学は俺にないものをいっぱい持ってる」

と試合後語っていた中邑選手でしたが、中西殺法を真正面から身体で全部受け止め、お客さんを大満足させ、その上で説得力ある勝利を手にしたのですから、これぞチャンピオンです。次の挑戦者も今日は登場しなかったし、しばらくは中邑政権が続きそうな気配です。

で。
中西御殿です。結局、中西御殿は今日姿をあらわしたのか? 今日の中西学選手は素晴らしかった。これまたお客さんをたいそう喜ばせた、見事な挑戦者でした。でも試合後はノーコメントだったので、中西御殿については聞けずじまいです。

坂口さんが作って下さった「荒鷲掴み」という名の門は見えた。4年ぶり(じゃないかもしれないけど)のマナバウアーも見た。そしてその奥にあるという中西御殿。

それは、丈夫で、頑丈で、要塞だけれど攻めてもくる、つまり中西学選手自身でした。ふたたびベルトを腰に巻くことは叶わなかったけれど、私には中西御殿がくっきりと、見えたような気がしました。門の奥に大きくそびえる中西選手。青空にそびえる大仏さんのようでもあり、仁王様のようでもありました(仁王だと門にいるんだけど)。

「あの日、中西御殿はあらわれたんですか?」といつか中西選手に聞いたら、またきっと照れて言葉を濁してしまうんだと思います。でも、今日の両国であの試合を見た人、PPVで中西選手に声援を送った人にはみんな、きっと中西御殿は見えていたはずです。

残念、中西御殿を見逃した…という方はPPVの再放送を見るべし! そりゃあもう、凄いもんやで!

新日本プロレス「Circuit2010 NEW JAPAN ISM 最終戦」2.14両国大会 PPV再放送日程はこちら
2010.2.8.mon
第71回 かけがえのないブードゥー・マーダーズ(とtwitter) 2月3日のことです。夜更けでもないのに雨が雪に変わった新宿コマ劇場前で、わたしは呆然としていました。

345m:何というミステイク…。新北京プロレスが新宿フェイスだと完全に勘違いしていて雨の新宿で呆然としているなう。めげずに新木場向かうぞ!

そうです。年に一度、春節の時期に来日公演を行う新北京プロレスの大会の会場をすっかり間違えており、新木場1stリングに行かなければならないところを新宿フェイスに来てしまったのです。折れそうな心をtwitterにつぶやくことで何とか立て直し、そこから新木場への旅がスタート。名も知らぬtwitterの向こうにいる皆様方から

「それってインディープヲタあるあるですよ!」
「風邪引かないように頑張って!」

と勇気づけられながら新宿駅までたどり着いたところ、

345m:ていうか初めてりんかい線に乗るけど同じホームから実家方面(神奈川西部)に電車が出てたりしてさっぱりわからない新宿駅1番ホーム そもそも新宿新木場直通って何事

初めて乗るりんかい線におびえながら心は急げ新木場。しかしそもそもりんかい線がJRなのか私鉄なのか地下鉄なのか地上鉄(そんな言葉はございません)なのかもわからず、次第に不安に。

345m:地下の大井町駅とか全然知らないとこ走ってて不安なんですけど。品川シーサイドって何それ。これ本当に新木場連れて行ってくれるの?まさかのミステリートレイン…

するとまた皆さんが
「大丈夫、至って順調です!」
「大崎からはすぐですよ、新木場が終点ですから安心して下さい」

と勇気づけて下さるのです。皆さん何と心強い。そしてなぜそんなにりんかい線に詳しい?

そうこうしているうちに何とか電車は新木場に到着し、「新木場駅から1stリングまではタクシーで行って下さい!」という宇宙戦争ばりのアドバイスもあったのですがそれは丁重に辞退してダッシュで会場に駆け込んだところ、最初に目に入ったのはまるで見たこともない三蔵法師様でした。(高木大社長のブログのこの画像参照のこと)

また大社長や鈴木健さん、村田さんからは笑顔で「大変でしたね!新宿行っちゃったんですって?」と話しかけられ、ま当然ちゃ当然ですが私の間抜けっぷりはtwitterで筒抜けだったっていうお話です。

金角・銀角兄弟にはぎりぎり間に合いませんでしたが、試合後の銀角さんを捕まえて無理矢理お写真撮らせて頂きましたのでどうぞ。

でもやっぱり新北京プロレスは大変面白く、また珍しいレスラーの方々にもお目にかかれ、何故か曹魔刀選手に「切り干し大根、正解ですよね!」と話しかけられたのはよく意味がわかりませんでしたが楽しかったです。

さてその帰り道にふと思い出してSアリーナにメールを送りました。

みたさよこ(本物) TARUさん!さっきのVTRはディレクターにああ言えって言われたから言っただけです!遠くからブードゥー・マーダーズのことは応援しています。これから先もブードゥーがあれば、の話ですが。

そう、その日のSアリーナのゲストMCは、F4との解散マッチを前にしたブードゥー・マーダーズ、TARU選手、稔選手、歳三選手のお三方でした。

事前に撮影したVTRで「本当はF4応援しています」というコメントを出していたのでここはブードゥーにおもねっておこうかな、というつもりだったのですが、「何だあのAカップ!今度会ったらつまんでやるぞ!」と凄まれて逆効果でした…。

ブードゥー・マーダーズ。全日本プロレスに誕生してもう5年を数える極悪ヒールユニットです。過去にはジャイアント・バーナード、"brother"YASSHI、近藤修司、諏訪魔、小島聡といったメンバーを有し、解散マッチにも勝ってメンバーを入れ替えつつも存続している軍団。「バスに乗れるメンバーは限られているんだよ」と武藤社長自ら厳しい生存競争を促す全日本プロレスにおいて、憎まれつつもその欠かせない存在であることは間違いありません。

方やF4。小島聡選手率いるベビーフェイスユニットで、女性人気も高く、将来性のある若手を揃えています。普通に考えたら、F4を後押しする空気が圧倒的なはず。

ところがそうは簡単にいかないのが、プロレス界の面白いところです。

7日後楽園のメインイベントで組まれた、ブードゥーvsF4のキャプテンフォールイリミネーションマッチ。いつも通り悪そうに入場してきたブードゥーでしたが、いつも通りじゃなかったのは、キャプテンのTARU選手が、まるで死に装束を思わせる真っ白のコスチュームだったことです。そしてもう1ついつも通りじゃなかったのは、お客さんにTARU水をぶちまけるのじゃなくて、最前列のお客さんにTARU水を渡し、自分の頭の上にじゃばじゃばとかけさせたこと。身を清めているかのように見え、並々ならぬこの試合への覚悟が感じられて思わず胸が熱くなりました。

水曜Sアリーナの中でもブードゥーのメンバーが繰り返し言っていたことなのですが、ああ見えて(失礼)ものすごく絆が強く、そして男らしい男たちの集まりであるのが、実はブードゥーだということなのです。ヒールでありながら歴史も絆もあって、そしてそれは彼らにとって大事な仲間達であり、居場所でもあります。彼らはこの大事な仲間達と、代紋(!)を守るために、今日何が何でも勝たなくてはならない。そして歳三選手が最後に言っていた言葉。

「俺らブードゥーのファンに、どういう結果であろうと最後は胸張って帰らせたいんです」

さしたる乱入も凶器攻撃も反則も実はほとんどなく、8人のレスラーが真っ向勝負で闘い、最後は小島vsTARUのキャプテン対決。現三冠王者である小島選手に、1人のプロレスラーとしてTARU選手は向かい、ラリアットもコジコジカッターも全部受け、最後はTARUドリラーで文句なしの3カウントを奪いました。

その瞬間、後楽園は大きな驚きと共に、歓声に包まれたのです。もちろんF4の勝利を信じていたファンにとってはショッキングな出来事でしたが、それ以上にブードゥーの、そしてTARU選手の勝利を素直に賞賛する声、拍手が爆発しました。

うなだれてリングを降りるF4のメンバーとは対照的に、高らかにマイクを持つTARU選手。

「やかましいわい!たかがキャプテンフォールマッチで勝ったくらいでそんなに騒がなくてもええんちゃうかい?
前にも言うたな。ブードゥーはあえて嫌われ役やってやっとるねん。誰が好きこのんで帰り道に石投げられたり、イタズラ電話かかってきたり、名前も知らんヤツからアホボケ死ねとか言われなあかんねん。そういうツラーいことも全部引っくるめて、ワシらブードゥーマーダーズっちゅうもんや。
お前らもそうやろ。学校や会社、不満がいっぱいたまってる。そういう不満を俺らにぶつけたいから来てるんやろ。ワシらは寛大やから、お前らのそういうブーイング、全部受けとめてやるよ」


格好いい! 格好いいよTARUさん! TARU選手の思うヒール道、そしてなぜブードゥーがここまで生き抜いてこられたのか、その答えが少しわかったような気がします。

TARU選手も言っていましたが、ブードゥーを通り過ぎた選手たちはみな、トップレスラーとして今もリングに立っています。諏訪魔しかり、いずれWWEのリングに上がるであろうジョー・ドーリングしかり。そして全日本プロレスで行き場をなくしていたヘイト選手や歳三選手を、見事に再生させたのもブードゥーです。

例えF4が解散しても小島選手が三冠王者であることは揺るがないし、KAIや大和選手が全日本の未来を背負う存在であることも変わらない。でも、TARU選手はじめブードゥーに属するレスラーはほとんどが全日本所属ではないフリーのレスラーで、ブードゥー・マーダーズがなくなることはそのまま、全日本プロレスでの居場所がなくなることにつながりかねないのです。その覚悟の差がおそらく、今日の結果に繋がったんだろうと思うのです。


朝青龍が引退し、亀田兄弟もすっかり優しくなり、世の中全般的に悪役が生きづらい時代になりました。そんな中でお客さんに憎まれるヒールを演じ続けているブードゥー。みんなの、日々の不満を全部吸収してそれを受け止める寛大さを持つブードゥー。彼らもまたプロフェッショナルであり、その意識の高さがある限り、武藤選手言うところの「バスに乗り続ける」存在であり続けるはずです。

Profile

三田佐代子
三田佐代子 Sayoko mita
  • 生年月日:1969年8月5日生まれ
  • 血液型:A型
  • 出身地:神奈川県小田原市

慶応大学卒業後、1992(平成4)年テレビ静岡にアナウンサーとして入社。 報道・スポーツ・バラエティなどあらゆる分野で活躍し、テレビ静岡の看板アナウンサーとなる。 より一層の飛躍を目指し、1996(平成8)年3月、同局を退社しフリーとなり古舘プロジェクトに所属する。 その後はプロレス専門チャンネル初代キャスターに抜擢。 現在、年間100試合以上の取材観戦でレスラー顔負けのアグレッシブさを見せている。 その他レポーターやMC、執筆活動など幅広く活躍中。 サヨコアリーナPLUSは、業界でもファンが急増中。