2010.1.25.mon
第69回 そしてジャイアントは本物のジャイアントになった。 みなさまこんにちは。先週、S1の綺麗どころの皆さんがゲストMCにいらっしゃる時、担当ディレクターから「ミタさんも比較対象としてその日並んで出演しませんか?」と言われ丁重にお断りした三田佐代子です。アタシはハイライトか!

24日、ユニオン新木場大会でKO-D無差別級選手権試合、石川修司vs佐々木義人戦を見ました。こんなこと言うの失礼ですが、石川選手は本当にいいレスラーになったなあとしみじみ思う一戦でした。

最近、番組でも石川選手とご一緒する機会が多く、そのたびにその大きさと優しさに心温まる思い。「気は優しくて力持ち」って、本当にいるんだなあ!と実感しておる次第です。

もうよく知られた話ですが、高校時代の柔道部の先輩である佐々木貴選手を追ってプロレス入りし、その体の大きさと気持ちの優しさでスタイルに悩み続けたデビュー当時。

それが、ユニオンに移籍し、団体愛とプロレスラーとしての欲が芽生え、高木三四郎選手によれば人知れず格闘技の道場やキックの道場に通ってスタイルの幅を広げ、さらにはバチバチや大日本プロレスにデスマッチなど他流試合をどんどん行ったことでプロレスラー石川修司のスタイルが確立されていきました。

そして昨年、あの天才飯伏幸太に勝ってKO-D無差別級王座を奪取。年末にはHARASHIMA選手を破って防衛、さらには大晦日の三部の計で関本大介選手からも3カウント奪取と、その勢いはとどまるところを知りません。

そして毎回その勝利の後、非常に印象的な言葉を毎回石川選手は残しています。

「飯伏ありがとう! お前やっぱり天才だよ。お前がいたから俺は強くなりたいと思ったんだ」(09.11.29飯伏戦後)

「HARASHIMAさんに勝ててもう最高! HARASHIMAさんがいるから、このベルトは価値があると思うんです」(09.12.27HARASHIMA戦後)

こういった言葉の端々から、彼の「強さ」へのこだわりが見えます。あんなキャラクター揃いのDDTにおいて、飯伏選手のような華やかさがあるわけではなく、かといって男色ディーノのような際だった個性があるわけでもない彼が見いだした道は、とにかく痛みの伝わる、そして圧倒的な強さで相手もお客さんをも驚嘆させるプロレスでした。

そして迎えた佐々木義人戦。ラリアットでふっとばされたらその重い膝で三倍返し。ぶちかまし、カンヌキ、頭突きとその体格を生かし切った石川選手のスタイルは完全に確立され、相手の体が浮くほどのヒザ蹴りには見ている側も胃が痛くなるほど。

そして高角度のスプラッシュマウンテンで文句なしの防衛を果たし、次に立ちはだかったのは既に挑戦者として決定している男色ディーノ…かと思いきや、関本大介選手でした。

「大晦日の借りもあるし、大日本として義人が取られたのでそれを返さないと。石川修司とシングルがやりたいです。ベルトはどっちでもいいです。やっぱりあの膝、そして頭突きは気をつけないといけない」

ということなので、既に決定している2.11DDT後楽園のKO-D無差別選手権石川修司vs男色ディーノの結果いかんに関わらず、このシングルマッチは行われることになるのではないかと。

更にその後リングに上がったディーノ選手とは「人生を賭けた闘いをしましょう」と感極まった表情で誓い合い、大家選手の号泣とか勘違いとかいろいろあって、とにかくハッピーエンドで興行は幕を閉じました。

汗だくのままお客さんを握手でお見送りした後の、石川選手のコメントで印象に残ったこと。

「僕、最初は馬場さんのオマージュレスラーだったので。そこで本当にどうしたらいいかと思って、それで闘いたいと思ったのが関本選手だったり義人選手だったりHARASHIMA選手だったり。そこに追いつきたい、追い越したいというのが僕の目標だったので、本当に今苦しいですけれど、充実感があります。だからもっと自分磨いて、強い選手と闘って、自分とユニオンのステイタスを上げていきたいです」

195センチという恵まれた身長ゆえに与えられたポジションに悩み、前座で苦悩し、もがきながら見つけた今のスタイル。そしてその横には、愛すべきユニオンの仲間たちがいる。苦節7年、気が優しくて力持ちを地でいく石川修司選手が、自らつかみとったのが今のスタイルであり、ベルトであり、賞賛なのです。

よく言われることではあるけれど、地位が人を作り、そして人がそのベルトにまた輝きを与える。闘いが終われば相変わらず優しい力持ちの石川修司選手ですが、防衛を重ねていったその先には、去年はいちスタッフとしてリングに上がることもなく、入り口で無料DVDを配布していたDDT両国大会に、チャンピオンとして上がる可能性も出てくるのです。これは何と痛快なことでしょう! ちょっと今の石川選手には負けるイメージが全くないので、これはかなり現実味を帯びた話です。

加えてかつて勝てなかった相手にリベンジする「ジャイアントお礼参り」のどこかには、2008年のプロレスサミットで相対した高山善廣選手の名前もきっとあるんじゃないかと。この日バックステージでマサ高梨選手たちと「いつかは高山さん」と照れながら名前を出していた石川選手ですが、今の石川修司ならば何ら萎縮することもなく、帝王高山善廣の前に立つことが出来るはず。あまり大きなことを言うタイプではない石川選手ですが、いつかそんな日が来るのを待っています。

Profile

三田佐代子
三田佐代子 Sayoko mita
  • 生年月日:1969年8月5日生まれ
  • 血液型:A型
  • 出身地:神奈川県小田原市

慶応大学卒業後、1992(平成4)年テレビ静岡にアナウンサーとして入社。 報道・スポーツ・バラエティなどあらゆる分野で活躍し、テレビ静岡の看板アナウンサーとなる。 より一層の飛躍を目指し、1996(平成8)年3月、同局を退社しフリーとなり古舘プロジェクトに所属する。 その後はプロレス専門チャンネル初代キャスターに抜擢。 現在、年間100試合以上の取材観戦でレスラー顔負けのアグレッシブさを見せている。 その他レポーターやMC、執筆活動など幅広く活躍中。 サヨコアリーナPLUSは、業界でもファンが急増中。