2009.12.28.mon
第65回 わたくしが選ぶ2009年プロレス5大ニュース。 2009年最後の猫耳アワーとなりました。今年も皆様ご愛読ありがとうございました。今改めて1年分読み返してみましたが、けっこう面白いなこれ!(自画自賛)。自分で書いておきながらすっかり忘れているので、曙がビグザムに似てるとか我ながら感心したわ。

そんな、誰も褒めてくれないから自分で自分を褒める三田佐代子がお届けする今回のコラムでは、極私的2009年プロレス5大ニュースを選んでみたいと思います。

第5位 真壁刀義G1初制覇

モンブランとチキンバンバンが大好き、そして皆さんが大好きな真壁刀義選手のG1制覇には感動しましたね。「時代は俺みたいなヒーローを求めてる」「サンキューな」など、また言葉がひとつひとつ染みました。
余談ですが26日Sアリーナの仲田龍さん乱入はマジでビビったから! こんなこと言うのも何ですが、私はおろかスタッフもディレクターももちろん誰も知らず、普段から顔色の悪い当日のディレクターはいつもよりいっそう顔面蒼白になりガタガタ震えてたから! そんな中番組進行がおぼつかなくなった私を尻目にタンカ切ってきっちり時間内に納めた真壁刀義選手を、改めて尊敬したし惚れ直しました。チキンバンバン1年分差し上げます(でも売り切れ)。

第4位 プロレス大賞に風穴
伊東vs葛西のデスマッチにベストバウト、飯伏技能賞、さくらえみ6年ぶりの女子プロ大賞受賞者、といった比較的このコラムに登場しがちな方々が受賞したというだけでなく、第3世代より下の世代である棚橋選手が初めてMVPを受賞したことなど、非常に選び応えのある2009年度プロレス大賞だったのではないかと。ついでですが、日本インディー大賞にも多数のご応募本当にありがとうございました。今年は応募フォームからの投稿のせいか、史上最多数の応募数でした。改めてこちらに記します。

最優秀選手賞 飯伏幸太(DDT)
ベストバウト 伊東vs葛西 11.20大日本プロレス
ベストユニット バラモン兄弟 ※2年連続
ベスト興行 DDT8.23両国ピーターパン
ニューカマー賞 竹田誠志(STYLE-E)※2年連続
特別賞 GENTARO(FREEDOMS)

第3位 中西学IWGP初戴冠
今世紀中にはもはや拝めないと思われた、中西学選手のIWGP初奪取は上半期の大泣きポイントでした。苦節17年、後輩に先を越されようが、格闘技の試合に出場されられようが、文句ひとつ言わず黙々とトレーニングに精を出し、バンテージも巻かずに黒タイツ一丁でリングに上がり続けた男の歓喜の瞬間に、関係者一同総立ちで大喜びしたものです。大阪での棚橋選手とのリマッチは、「今年一番強さを見せつけたプロレスラーだった」とプロレス大賞の選考会でも評されるほどの破壊力。今思えば夢だったんじゃないかと思えるほどに、ハッピーな王者誕生劇でした。
思えば、真壁選手しかり、中西選手しかり、そしてKO-D無差別の石川修司選手しかり、今年は地道に己を磨きリングに上がり続けたプロレスラーがようやく陽の目を見た、そんな年だった気がします。

第2位 両国ピーターパン

DDTの両国初進出は、これまた関わった関係者全てがhappyになれた、そんな大会でした。
実は今日、12月27日の後楽園大会の全試合終了後に男色ディーノが全選手を集めて、マイクを取りました。

「こないだJ-CUPに出てアタシは確信した。新日本にしかないものももちろんある。でも、DDTのリングにしかないものもいっぱいあった。高木三四郎、アンタが10何年か前に作ったDDTが、業界最大手の新日本にあと一歩ってところまで来たのよ。アンタのやってきたことは何一つ間違っていない! 胸を張っていいと思う。さあ次はどんな夢見せよう? アンタが舵を取りなさい。そして私たちはそれを全力でこぎ続けるわ」

涙声で高木大社長に、そして観客に語りかける言葉には胸打たれました。そう、プロレス大賞選考会でもベテラン選考委員から「あんなどうしようもない団体だと思っていたDDTをここまで引っ張って両国大会を成功させたのは高木の技量だ」と高木選手を高く評価する声が挙がりました。ご自身もプロレスラーとして特別なバックボーンがあるわけじゃなく、そして集まったレスラーも言い方悪いですが有象無象、でもアマレスの実績とかバックボーンが何かとか関係なく、どこか光るものを持ったメンバーが集まったのが、DDTです。
そのDDTが両国大会に満員のお客さんを集め、生え抜きの飯伏幸太というゴールデンスターを生み、この上なく幸せな気持ちにさせたということに、心からの敬意を評します。そして来年もいい夢見せて頂きたく。

第1位 三沢さんにさよならを
素晴らしい試合がたくさんあった。感動するシーンもたくさんあった。新しいスターもたくさん生み出したし、楽しいこともたくさんあった2009年だけれど、やっぱり大きな喪失感はぬぐいきれない。

三沢選手やテッドさんとお別れをすることになり、このコラムでもそのことについて何度も書かせて頂きました。そしてそれを読んだ皆さんからたくさんの感想を頂きました。

正直、破壊王の時もそうだったのですが、誰かとさよならしなければいけない時の文章を褒められるのは、どことなく落ち着かないものです。こんな悲しい文章ではなく、もっと楽しい、いいニュースについて書いた時に褒めて頂けるのであれば、一緒に喜べます。
ただ、私は本当に辛い時に、それを文章にすることで乗り越えてくることが出来ました。と同時に、私の立場からいっても、その辛さから逃げるのではなく、それを言葉にするのが使命だとも信じてきました。

もちろん私に出来ることは力量的にも限られています。でも楽しいことばかりじゃなく、辛いことがあった時にそれを文章にし整理し吐き出すことで、自分自身を多少なりとも納得させることが出来ました。書かなければ、逆にその辛さに押しつぶされそうでした。

だから私に書く場があったこと、そしてそれを読んで下さる皆さんがいらしたことを、感謝しています。そして今年の悲しみを、みんなで乗り越え、そしてプロレス界が力強く前進し続けていることを誇りに思います。

今日、ディーノが涙ながらに高木大社長に訴えたあと、最後にこう付け加えました。

「さあ、みんなをとっても幸せな気持ちにさせて、この場を締めてください。」

なかなかの無茶ぶりでしたが、高木社長はこの後立派にスピーチし、三本締めで今年のDDTを締めくくりました。お客さんが総立ちで三本締めをし、「INTO THE LIGHT」が流れた瞬間、間違いなくとっても幸せな気持ちになりました。

この年末、例えばJ-CUPで丸藤選手が優勝した後の金色の紙吹雪、例えば全日本プロレスの選手会興行のあとのプレゼント投げ、そして今日のDDTの三本締め、後楽園で満員のお客さんが総立ちで楽しそうに両手を挙げている姿のこの上なき多幸感。

そう、プロレスはこの多幸感がどれほど大切かを、今年は特別に感じました。悲しいことを知っているからこその多幸感。

どうか来年は溢れるほどの多幸感を、団体が大きかろうが小さかろうが、会場が大きかろうが小さかろうが関係なく、プロレスに提供して欲しいと心から願っています。もう悲しい涙ではなく、幸せすぎて泣けるほどの空間をひとつお願いしたく。

今年もこのコラムで、そしてサムライTVで皆様本当にありがとうございました。どうかプロレスを愛する皆様に、新しい年が幸せに満ちていることを祈っています。2010年もよろしくお願いいたします。良いお年をお迎え下さい。

Profile

三田佐代子
三田佐代子 Sayoko mita
  • 生年月日:1969年8月5日生まれ
  • 血液型:A型
  • 出身地:神奈川県小田原市

慶応大学卒業後、1992(平成4)年テレビ静岡にアナウンサーとして入社。 報道・スポーツ・バラエティなどあらゆる分野で活躍し、テレビ静岡の看板アナウンサーとなる。 より一層の飛躍を目指し、1996(平成8)年3月、同局を退社しフリーとなり古舘プロジェクトに所属する。 その後はプロレス専門チャンネル初代キャスターに抜擢。 現在、年間100試合以上の取材観戦でレスラー顔負けのアグレッシブさを見せている。 その他レポーターやMC、執筆活動など幅広く活躍中。 サヨコアリーナPLUSは、業界でもファンが急増中。